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立ち往生

基本的にネタバレに配慮していないのでご注意ください。

CLOCK ZERO~終焉の一秒~Extime・央ルート感想

CLOCK ZERO~終焉の一秒~Extime 乙女ゲーム感想

キングの重さが一周回って爽快にすら感じ始めた央ルート。Vita版で新たに追加されたとは思えないぐらいしっかりしたルートだった。みんなのヒーローに憧れた子供時代と、みんなのヒーローにはなれないことを受け入れ、誰かを切り捨てても誰かを助けたいと葛藤する大人の央。いちばんの常識人だったし、壊れた世界では清涼剤以外の何物でもなかった。

 

子ども時代の誘拐事件で、撫子を勇気づけることで正義のヒーローになった央は、崩壊後の世界でもやっぱり撫子のヒーローだった。

全員をは助けられない自分の無力さや世界の理不尽さをちゃんと味わった上で、絶望せずに立ち続けている央の男らしさ。諦めたわけじゃなく前を向き続けることって、この世界ではとんでもなく大変だ。事実、課題メンバーの中では央しかいない。

 

ただいま、おかえりを言い合うことって家族になることに等しい気がする。撫子に「おかえり」と言ってもらうことで、央は、帰るべき場所があることの安らぎと、家族への思いを新たにすると共に、撫子にとって帰るべき場所が別にあり、彼女はそこにきちんと帰るべきなんだと強く思ったんだろうなあと感じた。家族を大切に生きてきた央だからこそ。

 

ちなみに円ルートでは、央は円の正体にしばらく気づかないシーンがあるんだけど、央ルートではきちんとチラッと見ただけで気づいてくれたのでホッとした。央はああいう子だけど、驚くほど物がよく見えるところもあるわけだし、たとえ円の見た目が全然変わっていても、見て気づかないわけがないと思う。

 

止まった時間を動かそうとしている撫子と央が「時が止まればいいのに」と感じるのは本当に皮肉で、切なくて、ああこれがこのゲームのテーマなんだと強く思う。時間はどんなに願っても止まらないし、戻れないのだ。だから今を生きていくしかないのだ。

 

撫子が現代に戻ったあとの、ひとりで過ごす央の姿が描かれていたのはすごくよかった。これはバッドED扱いなんだけど、央ルートで一番しっくりきたのはこのEDだった。

壊れた世界に留まるEDに至っては、央ルートだと一旦帰るのにまた戻ってくるので、ご都合主義が大手を振って歩く開き直りっぷりに刮目した。コラ鷹斗お前本気出せ。