立ち往生

基本的にネタバレに配慮していないのでご注意ください。

映画「ハイ☆スピード!」を見たあとに宣伝ポスターを見るといろいろ面白かった

「ハイ☆スピード! -Free! Starting Days-」(長いけど、この副題をやっぱり付けたい)を見た後に、映画の宣伝ポスターを見ると、いろいろ面白かった。

 

ティザーポスター

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©2015おおじこうじ・京都アニメーション/ハイスピード製作委員会

 

これはティザーポスター。

真琴とは違う方向に一人で歩きだす遙と、遙に積極的に話しかける旭。遙と旭の歩幅が違うので、一緒に歩いているわけじゃなく、旭が遙を追いかけるような形になっているのがわかる。遙は別に旭の前に行こうと思っているわけではなく、ただ自分の思うように歩いているだけ。けれど妙に肩に力が入って、力んだような歩き方をしている。


一方、遙の行動に驚いて足を止め振り返る真琴。最初から歩こうともしておらず、ポケットの中に手を入れたままの郁弥。手のひらをポケットに入れて隠してしまうのは、本心を見られたくないという心理が表れる、防御的な行動だと言われますね。

季節は春。窓の外には果てのない海が広がるけれど、彼らがいるのは壁で囲まれた校舎の中。
青春時代は、厚い校舎の壁に守ってもらえる限定的な時間。壁の外に広がる海に、いつか泳ぎださなければいけない。けれど彼らはまだ、壁の中を歩きはじめたばかりで、誰も海に向かおうとはしていない。郁弥に至っては、海に背を向けている。郁弥の立ち位置だけが微妙に他の3人よりも画面の後ろにあり、3人と距離があるのも面白い。

4人は誰ひとり同じ方向を見ていない。映画を見た後に見ると、なんとも象徴的なイラストだなあと思う。

 

メインビジュアル

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©2015おおじこうじ・京都アニメーション/ハイスピード製作委員会

 

こっちはメインビジュアル。

 

上段の4人。遙以外の3人は、みんな遙を見ているように感じられるのが面白い。

旭は顔も体もしっかり遙の方向を向いて、遙への憧れを全身で体現しているけれど、真琴と郁弥は、遙の方向に向けるのは目線だけ。真琴は薄く微笑んでいるけれど、郁弥は、嫉妬と羨望がないまぜになった険しい顔で遙を睨んでいる。嫌なら見なければいいのに、遙の強烈な引力につい目線が奪われてしまう。

 

3人から目線を向けられている当の遙は、熱く見つめられていることにも睨みつけられていることにも頓着していない、凪いだ顔で静かに立っている(真琴のほうを見ているようにも思えるけど、果たして…)。

 

端に小さく描かれた凛については、表情が描かれておらず、何を感じてどんな気持ちでいるのかよくわからず伝わりにくいのも示唆的だなと思う。

 

そして、4人の背中を描いた下段。彼らが見つめる先は海ではなくて、コースの終わりが定められたプール。泳げる時間、ともに過ごせる時間に限りがあることを暗示しているよう。プールの向こう岸、4人が向かう場所は光り輝いている。
ティザーポスターと異なり、4人は同じ方向を見つめているように見える。

この背中、ちっちゃいくせに少しだけ頼もしくて少しだけ凛々しくて、青くて未完成な少年の匂いがして、いい背中だなあとしみじみする。


それにしても、この未発達で細くて小さな背中が「Free!」ではあんなことになるのか…とか雑巾みたいなことばかり考えちゃってごめんね、まこちゃん…。