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立ち往生

基本的にネタバレに配慮していないのでご注意ください。

Collar×Malice(カラーマリス)プレイ感想②~笹塚・柳さんルート・まとめ感想

Collar×Malice(カラーマリス) 乙女ゲーム感想

笹塚ルート

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あ~~~~(悶絶)この人とっても卑怯ですね。あまりの俺様セリフに背筋が凍ることも正直結構ありましたが、それにしたって絵に描いたようなツンデレだった。毒舌だし、セリフもぽんぽん飛び出してくるから会話が楽しいルートです。ハンドルネームに本名使ったあたりすごい笑った。

カラマリはキャラ視点のシーンが頻繁に差し込まれるんだけど、これが笹塚ルートで最もいい仕事をしていて、市香ちゃんとベッドで目覚めたときの「服は着てる。大丈夫だ、ヤッてねえ」のセリフでもう一気に好きになった。この一言で、笹塚の今までをぼんやり描写するのが素晴らしい。

 

個別ルートの最初の方から割とデレ要素を出してくれるので、ニヤニヤしながら進められるのだけど、「市香」と初めて呼ぶシーンは最高だった。やらなければいけないことがありすぎて、おまけに弟まで不安にさせて、でも弟に不安げな姿を見せるわけにはいかず、ぐちゃぐちゃの市香ちゃんがいい。でも弱さを見せたくなくて堪えているのもいい。その姿に気づいて、いつもどおりのからかいで励まそうとするが上手くいかず、そっと名前を呼ぶ笹塚がズルい。「バカ猫」「ポチ」からの「…市香」って。この「…」の溜め。「…」ですよ。コラ笹塚ァ!

ずるいでしょこんなの。辛さを押し殺して必死に張っている時に一番ダメなのは、厳しく叱咤されることじゃなくて、優しくされることだ。どうしたって泣いてしまう。笹塚はそれがわかっている、きっと笹塚も同じように堪えたことがあるんだと伝わる。「俺がついていて何が不安なんだ、言ってみろ」の俺様セリフがこの時ばかりは胸に染みる。不安じゃないよ、不安じゃないよ笹塚ァーー(号泣)

 

笹塚ルートで地味に好きなのが峰岸さんとのやりとりで、相田の事情聴取を市香ちゃん一人にやらせたことを咎める笹塚が本当にいい。ここは短いけれどかなり効くシーンで、「市香ちゃんが相田から危害を加えられる可能性があった」と峰岸さんがわかっていたことを笹塚は知っている。そして峰岸さんが何も弁解をしなかったことで、「何を犠牲にしても、事件解決のために動く」という峰岸さんの覚悟が笹塚に伝わった。だから笹塚も、咎める言葉を飲み込んだ。

でもこのやりとりで、笹塚にとって市香ちゃんは、ただ可愛がっているだけじゃなく、最大の弱みになりうる存在かということが峰岸さんに伝わってしまったわけで、たぶん笹塚はそこに気づいていない。峰岸さんは何も言わず笹塚の補佐に市香ちゃんを置くけれど、この人は笹塚の力を最大化するために市香ちゃんを利用しているに過ぎない。峰岸さんに比べれば笹塚はまだまだ甘いのだ。ここは笹塚の変化だけでなく、峰岸さんの冷徹さが伝わるいいシーンだと思う。

 

酔っ払った市香ちゃんが笹塚を止めるシーンも良かった。市香ちゃんを酔わせないと本音を言えない笹塚もたまらんけど、「でないと、泣きます」と必殺技に出る市香ちゃんもたまらん。泣かれると弱い笹塚の、優しい「この、バカ」がさあ。もう。なんなの??(半ギレ)CV浪川ズルいにも程があるでしょ。

そして最後のメール選択肢で「泣きそうです」を正解として選ばせてもらえる喜び。カラマリスタッフさん本当にありがとう。ここは「泣きそうです」を選びたかった。選べて嬉しい。不安だけど信じているんだからね、わかってんの!?という市香ちゃんらしい気持ちがドンピシャで伝わる一言で、きっと笹塚にしか伝わらない一言で、二人がパートナーとして過ごしてきた時間の重さを感じさせる見事なチョイスだった。笹塚の返しも素晴らしくてゴロゴロ転がった。事務所に帰ってきてからの「おかえりなさい」に雑巾みたいな顔して泣いた。

笹塚は本庁に戻っても峰岸さんと丁々発止のやりとりをし続ければいいし、市香ちゃんのことで思い悩んで余裕なくなればいいし、市香ちゃんに吉成くんみたいなワンコ後輩ができて笹塚が眠れない日々になれば最高なのになあ。あと市香ちゃんは峰岸さんもグズグズに転がして翻弄できる才能があるので、峰岸さんルートもお待ちしています。

 

柳さんルート

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他ルートでは、しっかり者で隙のない頼れる柳さんですが、自ルートではところがどっこい、ただのダメな大人だった。ダメな大人が年下ヒロインにグズグズになっていく展開が大好物なので、終始とても美味しいルートだった。「わたしがやります」でなく「あなたがやってください。わたしが背中を押します」なスパルタ市香ちゃんが最高である。情けねえ大人最高。押せ押せ市香ちゃんにコーヒー吹き出す柳さん最高。最後までくっそ余裕がないの最高。ずっと市香ちゃんに翻弄され続けたらいいよね!!

「みんなを守りたい」のは甘すぎる願いだけれど、必死に手を広げようとする柳さんは大人のくせに青臭くていいなと思う。市香ちゃんが攫われて初めて感情を露わにするのもいいし、最後にきちんと市香ちゃんを泣かせてあげるのもよかった。このルートでは白石さんも岡崎も救われるし、さすがの大団円ルート。こうやってガッチリ制限をかけて、最後に全部をきれいに回収していくのは、やりきった感があって好きです。

あと、視野が広くて大人だけど実は誰より血の気が多くて熱血で、愛情深くて口が悪い森丘さんが大好きなんですけど、森丘さんルートにはどうやったら分岐できるんですか? 森丘さんのタバコの本数にも口出して、鬱陶しそうな顔されたい…されたい…。

 

まとめ

カラマリでとても好きだったのは、自ルート以外では、キャラは大体きちんと距離を取ってくれるところで、変に逆ハーっぽさを出してくる展開より断然いいと思う。しかも一様に同じ態度なのではなくて、そのルートの展開によって、市香ちゃんの能力を認めたんだなと思う段階で少し言動が変わったりする。どのルートであっても、それぞれにキャラも市香ちゃんも生きているんだなと思える見事なシナリオだった。

ゼロの正体に関しては、結構みなさんも仰っているように、いくらボイスエフェクトをかけても喋り方ですぐに分かってしまうので、これはフルボイス化の弊害だなあと思った。喋り方で気づかなかった方も、配役を見れば分かってしまうのでは? でもメインキャラ以外にボイスのないゲームなんて今更作れないしなあ…。わたしは察しが良くないので、声がなければ多分最後の方まで気づかなかったと思う。気づかないまま遊んでみたかった気持ちも少しある。仕方のないことだけれど。

 

ゼロの言いたいことについては結局、現実逃避にしか聞こえず、最後までよくわからなかったけれど、三國れいの言動に圧倒的な差を感じて絶望してしまう気持ちはなんとなくわかる。自分は全く思い至らないことに簡単に辿り着けてしまう、愛情や優しさを当たり前のように受け取れてしまう、その彼我の絶望的な格差。生まれは同じならば余計に影が際立つだろう。素地から違うのだと思い知らされる。自分は彼のように生きることは絶対にできないのだと。

ゼロは三國れいのように素直に生きたかったし、三國れいもまた、ゼロに本心を明かされていないと薄々気づいていながら、それでも10年間そばにいたのだろう。ゼロは結局、一番近くで寄り添ってくれた人の存在に気づけなかった。三國れいや執行者たちに居場所を与えたさまは、峰雄や白石たちに居場所を作った柳さんと何ら変わりないのに。

最後に「Criminal」でアドニス側の事情がすべて明かされるのは、どちらが善でどちらが悪かも視点の違いに過ぎないのだというスタッフからのメッセージなのだと思う。

 

誰もが居場所を探している。その場所を作れるか、作るための自分の力に気づけるか。自分の弱さに向き合えるか。周囲に目を開けるか。死ぬまでその問いは続くのかもしれない。それでもあがいて生きなければならない。そんなことを考えたゲームだった。楽しかったです。全員年上でスーツなのも最高 of 最高です。スタッフのみなさん、ありがとうございました。

 

※「Collar×Malice」のバナーに使用されている画像の著作権は、アイディアファクトリー株式会社およびデザインファクトリー株式会社に帰属します。