立ち往生

基本的にネタバレに配慮していないのでご注意ください。

レンドフルール・ギスラン、オルフェ感想

ギスランルート

ルイのルートを終えて、ストーリーが転換する前の「ヴィオレットの人形っぽさ」は作為的なものだったんだなと気づいてからは、まんまと制作陣の意図にはめられ、後半の疾走感が心地よく感じるようになってきた。

 

ギスランは、これだけ誰にも弱みを見せられないと辛いだろうな。隠しきれていないことを本人があまり気づいていないのも辛い。本心がダダ漏れなのにあまり言葉にはしてくれない人なので、牢の中での絶叫には胸を掴まれた。

 

最初は嫌々仕えるところから始まったギスランだけに、忠誠EDの完成度というか、流れの美しさが凄まじかった。レーヌとしてギスランに認められるために行動を積み重ねてきたわけだから、プレイしているこっちも、ヴィオレットの決断に頷かされてしまうだけの説得力があったし、応じるギスランも最後までらしさを貫いているのがいい。

くちづける場所が、跪いて持ち上げたドレスの裾だというのもいい。夜明けの崖の上、というシチュエーションの美しさも相まって、絵画みたいなラストシーンで、ゴシック系の世界観の締めくくりとしてこれ以上の終わり方はないのではないかとも思う。

 

何かを犠牲にするしかない、という岐路を迎えた時に、きちんと何かを犠牲にして落ちをつける展開が好きだ。何もかも丸くおさまってハッピーなんてご都合主義は、結末に至るまでのキャラたちの逡巡も葛藤も全部台無しにしてしまう気がする。

ギスランの結末は、2人が幸せに生きる終わり方ではないけれど、最後までレーヌとして生きたヴィオレットと、彼女を支えたギスランの物語としては、極上の終わり方だったなあと思う。まだユベールルートをプレイしていないけれど、騎士の中では、ギスランの忠誠EDが一番好きです。

 

オルフェ

騎士だと思ってたら神様だった。神に近づいたら互いの体温が感じられなくなるという、ルイルートの肝である設定が華麗にスルーされていた気がするけど、どこかにフォローが入ってたっけ?

「剣が君」の鈴懸といい、年下キャラは森の中で野生化ED(適切な言い方がわからない)が鉄板なのかもしれないけど、気のせいだという気もしなくもない。

 

ルイの腹黒さは何度も強調されていたけど、実際どっちが厄介かといえばオルフェのほうが厄介な気がしてならない。自分がどう見えるか、全部分かってやっているところがあるし、敵にまわしたら本当に面倒くさいと思う。オルフェと裏波に振り回され放題な浅葱さんが愛おしい。