「i7」、8月24日・25日付オリコンデイリーランキング1位おめでとうございます。
曲の並び、「NATSU☆しようぜ!」アイナナVer.が入っていないこと、全曲を振り返る7人のラビチャ。どこをとっても紛れもなく「IDOLiSH7」初のフルアルバム。彼らが辿った長く短い1年の道のりを形に残してもらえた、奇跡みたいな巡り合わせに胸が震える。
ジャニーズのCDみたいなフォトアルバムを見ると、IDOLiSH7って実在するんだなと思う。そう思わせてくれることがまた嬉しい。
で、以前「RESTART POiNTER」についてあれこれ書いたのですが
フルバージョンを聴いて実感したことがあって、それは「RESTART POiNTER」は7人の歌なのではなく、ひとりひとりの歌なのだな、ということ。今日はその話です。
アイドリッシュセブン『RESTART POiNTER』MV FULL
冒頭の「陸顔上げ→一織振り返り」演出は神風動画さんのアイディアだそうで(セミナー聴きに行った)
「We/Our」と「I/My」の違い
アイナナの曲は、主語をほとんど「7人全員」に置いて書かれている。
「Yes, we go!」(MONSTER GENERATiON)
「We are S,E,V,E,N」(MEMORiES MELODiES)
「僕らのJoker Flag」(Joker Flag)
「僕らはずっと、行けるだろう」(THE FUNKY UNIVERSE)
「僕らは夜にキラめくJuggler」(Perfection Gimmick)
「勝つのはオレたちさ」「Be Our Dream」(NATSU☆しようぜ!)
そしてもちろん、新曲「THANK YOU FOR YOUR EVERYTHING」でも「僕らの原点はこういう情熱だよ」*1。
ところが、「RESTART POiNTER」内では「Make my stage」と歌っている。
語感的な理由で「my」になったのかもしれない。けれど、これだけ7人にとって重要な意味を持つ曲が、今までずっと「僕ら」を主体に歌ってきたことを無視して、言葉の響きだけで「my」を選んだとは、わたしはどうしても思えないのだ。
なぜ「Make our stage」ではないのか
初めて曲を聴いた時、これほど明るい曲なのにこんなに胸に迫るのは、わたしたちが、彼らの行く末の困難さを知っていて、同時に彼らの力をこんなにも強く信じられるからだと思った。険しい道を見据える彼らが微笑んですらいるような気がして、だから気高ささえ感じるんだなと思った。
けれどそれだけではなくて、7人全員で手を取り合って歌っているのではなく、ひとりひとりが歌っているのだ、だからこんなにも孤高さが漂っているのだと、2番の歌詞を見て初めて気づいた。
「一人じゃ叶わない願い事 そろそろ描いてもいいだろう?」という言葉は、無力さを抱えながら一人で立っていた人からしか出てこない。本心からの願い事を描きたかったけれど描けなかった、一人だったから。でも今はそうではない。
「うまく立ち回れない日」も、励まし合うのではなく、「小さな幸せを教え合って」乗り越える、そんな仲間がそばにいるということ。あくまで作るのは「my stage」であり、「our stage」ではないということ。
自分の舞台は自分で作るもの、自分にしか作れないもの。「それぞれ抱き締めてる譲れないモノ」が違うこともわかっている。自分の道は自分で切り拓くしかないのだと、ひとりひとり知っているのだ。
「RESTART POiNTER」PVの終盤、夕日の中に並んで佇む7人は、仲間が横にいるとわかっているから、誰ひとり見つめ合ってはいない。
「Fly high」と「Turn up」
更にすごいなあと思うのがこの2つの言葉で、1番と大サビに2回出てくる「Fly high」と、2番に1度だけ出てくる「Turn up」は意味が少し違う。
「Fly high」は「高く飛び上がる」とか「大志を抱く」という意味なので、言葉の重心は自分にある。飛び上がるのは自力だし、志を曲げずに夢を見続けるのも自分。とにかく自分の意志と力が大事。
ところが「Turn up」は、「(自然に)上向く」「(チャンス等が)偶然訪れる」というような意味合いで、「Fly high」とは若干ニュアンスが違う*2。
とある漫画で「最終的に勝負で自分の命運をにぎるのは自分じゃない」という言葉が出てくるのだけど、周囲に対する接し方で自分に還ってくる縁とか、巡ってくる運とか、そういう「自分の力ではどうしようもないもの」が運命を決めることは多々ある。自分の努力はもちろん必須だけれど、それだけでは多分ダメなのだ。
「Fly high」と「Turn up」を並列させて、かつ「Fly high」を2回、「Turn up」を1回歌うのは、前進するために自分の力が最重要なのはもちろん、「自分以外の存在」の力も不可欠なこと、そしてどちらの力をも信じていることを示しているような気がしてならない。
どちらも得るのは生半可なことではない。それでも進んでいくのだという静かな決意。一人で闘わなくてはいけない、だけど一人じゃない。一人じゃないから、一人で立ち向かえる。この曲はそういう曲なんだと思う。「だから信じている 思うままに駆け抜けろ」と歌いかけて鼓舞する相手は、仲間でありファンであり、紡ちゃんたちスタッフであり、何より自分自身のことなんだろうな。
この輝く指標(POINTER)がある限り、何度でも立ち戻って再出発できる、どんなことがあってもきっと大丈夫だと信じられる。曲を聴くわたしたちも、7人を「だから信じている」んだな、ああ、もう、たまらんよね!!!
これからどんな物語が繰り広げられるとしても、こうして笑っていてくれたらいいな。笑っていてほしい。わたしも「思うままに駆け抜けろ」と呼びかけ続けたい。大きく高く飛び立てるはずだと、アイドリッシュセブンがこの7人だから、「だから」信じている。
とりあえず小鳥遊事務所は大和さんにテレビ台とか買ってあげて、JSS(自室の私物)強化月間に着手してほしい